オリンパスの粉飾決算が徐々に明らかに

tksm2525

2011年11月12日 01:25

医療用の光学機器や顕微鏡の分野では世界最大手の企業として
その名をとどろかしているオリンパスが、前代未聞の粉飾決算で
ずさんな経営をしていたことが明らかになりました。バブル期に
財テクとして所有していた有価証券の含み損をいまだに持ち
続けていたことで、株主はおろか海外からも冷ややかな目で
見られています。

オリンパスの損失額は2000年当時は500億円程度だったそうですが
この損失を先送りし、社外の投資ファンドなどに移し替えて
いました。いわゆる「飛ばし」手法で、この隠ぺいを繰り返す
事によって最大1000億円まで含み損が膨れ上がったと
いうことです。

オリンパスは1990年に投機性の高い金融取引を繰り返して
いました。オリンパス以外にも、当時こうした金融取引を
財テクとして行なっていた企業は数えきれないほど存在して
います。バブル崩壊とともに多くの企業が含み損を大量に
抱え込みましたが、どこの企業も、現在に至る段階で
ほとんどの含み損を清算しています。しかし、オリンパスが
抱えていた有価証券の含み損は公開されることが
ありませんでした。

2001年3月期には、日本で「時価会計制度」が導入されて
います。これは金融商品の一部について簿価による評価
ではなく、市場価値を反映させ含み損も決算に計上するという
精度ですが、当時のオリンパス経営陣はこの制度変更で
「財テク失敗による含み損が表面化するのを恐れて
損失隠しに走ってしまったようです。この結果、国内の
証券会社OBと一緒に企業買収を隠れみのにした複雑な
「飛ばし」のスキーム(枠組み)を編み出しました。
今後は、さらに「飛ばし」の仕組みが詳しく解明されて
行くことになります。

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